腰痛に対する一般的な運動法


基本は“筋肉をほぐし、強くする”ことです。腰痛では、がんの転移や内臓の病気がなければ運動療法も行われます。

腰痛の多くは腰の筋肉や筋膜(筋肉表面の膜)に負担が掛かり過ぎたために起こる筋・筋膜性腰痛症です。年を取ると脊椎や椎間板などが変形したりして、腰痛が起こることが多いのですが、この場合も、弱くなった体の部分を補おうとして筋肉や筋膜に負担が掛かり過ぎて起こります。若い人の椎間板ヘルニアも筋肉がしっかりしていれば、痛みなどの症状は起こりにくいものです。

筋肉は負担が掛かると収縮して硬くなります。負担が掛かり過ぎると疲労して体を支える余裕がなくなり、さらに力が加わると痛みが起きます。こうした痛みを取るには、硬くなった筋肉をほぐし、弱い筋肉は強くし、体をしっかり支えられるようにすることが大事です。これを目指すのが運動療法で、柔らかさと強さの2つを併せ持った筋肉を付けることが目標となります。

筋肉を柔らかくする運動はいわゆるストレッチです。その第一は、背筋から尻の筋肉(殿筋)、太腿の後ろの筋肉(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋=ハムストリングス)を伸ばす運動で、第二は、腸腰筋を伸ばす運動です。

腸腰筋は体の内部にあり、背骨と大腿骨をつなぐ筋肉で、脚を持ち上げるときに使います。体の深部にある為、触れることも出来ず、一般的にはあまり馴染みのうすい筋肉ですが、これが硬くなると背骨が反るため、背筋に負担が掛かってしまいます。

背筋や殿筋、ハムストリングスなどのストレッチは、足を開いて膝を伸ばして座り、左右や前に曲げる、一般的なストレッチで十分です。ここでは腸腰筋のストレッチ方法を紹介しましょう。

尚、ここで紹介している体操はご自身の責任において行なってください。起こったいかなる事象に対して当方は一切の責任を負いません。

1.椅子や台などを用意し、片脚を後ろに上げてつま先を椅子や台に引っかけます。
2.股関節を中心に前に突き出すようにして脚を後ろに反らせていきます。
3.腰に張りを感じたら止めて、30秒から60秒間維持します。

このストレッチ体操では、太ももの前面(大腿四頭筋)も、伸ばされますが、あくまでも腰部や下腹部を特に意識して行なってください。

反対の脚も同様に行ないます。左右2回ずつ1セットとして行なってください。また、背筋・ハムストリングスのストレッチと併せて行なうと良いでしょう。

筋力を強化する運動では腹筋が大切です。背筋は立っているだけでも鍛えられますが、腹筋は鍛えられず、多くの人は腹筋の筋力が足りなくなっています。

方法としては、仰向けにひざを曲げて寝て上体を起こす通常の腹筋の体操がいいんですが、同じように寝ておへそをのぞき込むように頭を持ち上げるだけでも構いません。それでも難しければペットボトルなどを使って下腹部を押す方法もあります。無理なくできる方法を選びましょう。

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