“いわゆる五十肩”の運動法


 はじめに
このページでは生活の仕方や動きにくくなってきた肩に対しての運動法について紹介しましょう。

 日常生活での注意
強い痛みがあった場合、痛い側の肩はなるべく動かさないようにし、安静を保つことが重要です。機械的に刺激することを避けましょう。痛みが強い時には、無理をして重い物を持ったり、痛みを起こさせる動作をしないようにして下さい。肩を冷やすと痛みが強くなったり一層動きが悪くなったりしますので、肩を冷やさないようにすることが大切です。

夏は、クーラーの冷気や扇風機の風が長時間直接肩にあたらないようにしてください。(夜間は止めた方が無難でしょう!)
冬は、電気毛布などを使用するときは、寝具を暖めた後、寝る前にスイッチを切るようにしましょう。

保温法として、肩を冷やさないようにサポーターをするとよいでしょう。当院でも取り扱っていますが、サポーターを装着することで、患部の筋痙縮を緩和して局所の血流が促進されます。肩の部分が他の部分よりも暖かくなるようにすることが大切です。

昼は、下着の上にサポーターを着け、その上に衣服を着てください。
夜寝る時は、下着の上にサポーターを着け、パジャマを着てください。
寒い時期に痛みが強い場合は、サポーターの上から使い捨てカイロなどを貼ると良いでしょう。(就寝時はやめてください。低温ヤケドには十分注意しましょう。)

入浴中、湯の中では比較的痛みが楽になります。浮力を利用するなどして痛みのない範囲で患肢を自力で動かし、運動してみて下さい。

痛みの強い時期には、しばしば夜間痛が訴えられます。この痛みに対しては、肘の下に枕(タオルをおったものや、座布団など)を置き、腹のうえでクッションを抱くようにして肩を安定させてください。更に、肩用サポーターなどを使用したり、タオルや毛布などでこれでもかというくらいに覆い、とにかく肩を冷やさないようにします。

 運動療法
肩の激しい痛みがなくなってきたら、できるだけ早期から運動療法を行なっていくとよいでしょう。五十肩の治療の基本は“温めて動かす”ことです。これから家でできる簡単な運動をいくつか紹介します。

尚、以下の体操はご自身の責任において行なってください。起こったいかなる事象に対して当方は一切の責任を負いません。

 コッドマン(Codman)体操“別名アイロン体操”
用意するもの: ダンベル、水の入ったペットボトルなど。アイロンを用いても構いません。
@腰を曲げて、痛くない方の手を椅子や机の絵に置きます。“反省”のポーズです。そして、痛い方の腕をだらっと下にたらします。
A痛い方の手にダンベルなどの重りを持ちます。
B腕を動かすのではなく体を動かします。腕が振り子のように上下、左右、時計回り、反時計回りに揺れるように体を動かしてみてください。
C慣れてきたらだんだん大きく揺れるようにしてみてください。

 壁体操
@痛い方の手を顔の高さくらいの一で壁につきます。
A手の位置はそのままで、ゆっくり膝を曲げながら上体を落とし、腕を伸ばしていきます。痛くない範囲で動かして下さい。(別の方法としては、尺取り虫のように指を動かし、手を上に上げていく方法もあります。)

 棒体操
用意するもの: 1bぐらいの長さの棒
@両手で棒を持ちます。正常の手で、痛い方の手をサポートしながら動かします。
A動かし方は、上下、左右や、後方引き上げ(背中を洗うような動作)など、いろいろな運動があります。痛くない範囲で動かしてください。タオルを用いても構いません。

 運動の目的
五十肩は、初期に強い痛みが現れ、肩を動かすと痛みが出るため、どうしても動かさないように自分で制限してしまいます。そのまま肩を動かさずにいると、肩の筋肉が拘縮をおこし、いわゆる肩がかたまった状態になり、炎症が治まっても可動域が回復しなくなることがあります。このかたまった状態から、もとの正常な状態に肩の可動域を改善するようにしていくことが目的です。

 運動の回数について
回数は、1つの運動につき5回を目安にします。5回で無理な場合は、回数を減らして行なってください。慣れてきたら、少しずつ回数を増やしていくと良いでしょう。

運動療法は継続が重要です。決して無理をしないようにしましょう。

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