熱中症や経口保水液(飲む点滴)のお話


熱中症とは、暑熱環境で発生する障害の総称で、熱失神、熱けいれん、熱疲労(熱ひはい)、熱射病などに分けられます。この中でもっとも重いのが熱射病で、これは死亡事故につながります。

かつて熱射病による死亡事故は軍隊や炭鉱、製鉄所などの労働現場で問題になりましたが、これらは活動基準や労働基準が策定されることによって現在ではほとんどなくなりました。現代では熱中症に対する知識不足や考えの甘さから引き起こされる例が少なくありません。

熱中症による脱水はよく知られていますが、脱水症と効いてどのような事を思い浮かべるでしょうか?真夏の熱中症など暑い季節のことだと思われる方も多いことと思います。でも、意外な所では発熱や下痢、嘔吐によっても起こされます。インフルエンザによる発熱は寒い時期に、腸などでのウィルス感染による下痢や嘔吐は季節を問わず起こる可能性があるので、脱水症は夏だけでなく、いつも注意しておかないといけないようです。

下痢、嘔吐、発熱等による脱水症状の治療には主に経口補水塩が用いられます。食塩とブドウ糖を混合したもので、これを水に溶かして飲用する事で小腸において水分の吸収が行われます。水に溶かした状態のものを経口補水液と言い、ご家庭でも簡単に作れます。俗に「飲む点滴」とも言われます。

経口保水液(ORS: Oral Rehydration Solution)の作り方


砂糖40g(上白糖大さじ4杯半)と食塩3g(小さじ半分)を湯冷まし1リットルに入れてよくかき混ぜます。これだけですが、レモンやグレープフルーツなどの果汁を加えると飲みやすくなり、カリウムの補給にもなります。

これは市販のスポーツドリンクの内容物に似ていますが、ORSの方がナトリウム量が多い組成となっています。実際、乳幼児の脱水時にスポーツドリンクを与えると低ナトリウム血症から水中毒を引き起こすことが知られていますので、ORSを用いる方が良いと言えます。

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