マッケンジー体操(マッケンジーエクササイズ)
「腕立て腰反らし体操」とも呼ばれる、ニュージーランドの理学療法士のロビン・マッケンジー氏により考案された「マッケンジー体操」を紹介します。
通常の日本の医療ではご法度とされていた「腰の後屈」という簡単な体操を行うだけで、特に椎間板ヘルニアを含む椎間板損傷による腰痛や姿勢不良、関節機能不全による慢性腰痛に効果を上げている運動療法です。改善率は90%以上とも言われています。
このマッケンジー体操は、日本ではマイナーな療法でしたが、北米やヨーロッパ、アジア、オーストラリアやニュージーランドなどではスタンダードな治療法になっており、現在では日本でも広く行なわれるようになっています。
マッケンジー体操は、腰椎の伸展方向(腰を反らす)の可動性を回復させ、より負荷の少ない生理的に正しい(ごく自然な)姿勢をとれるように訓練する運動療法です。
マッケンジー体操では、腰椎を伸展(腰を反らす)することにより椎間板の前面が拡げられ、椎間板内がインアツになって後方に突出した髄核が元の位置に戻るという理論です(よく整形外科などで行われる牽引療法にもこの理論があります。)が、伸展運動により髄核が元にもどるほど椎間板内を陰圧にするのは不可能でしょう。しかし、実際の施術現場では多くの方がマッケンジー体操で椎間板ヘルニアによる下肢痛から解放されています。
尚、以下の体操はご自身の責任において行なってください。起こったいかなる事象に対して当方は一切の責任を負いません。この運動により強い痛みが出たり、お尻や足の痛みや痺れが増加したり、今までなかったそれらの症状が出た場合はただちに中止してください。
また、第5腰椎(L5)、仙骨(S1)間のヘルニアの方は行なわないでください。
☆マッケンジー体操の方法
1.まず、うつぶせに寝て5分程度安静にし、リラックスすることで筋肉の緊張をほぐします。
2.うつぶせの状態から両肘を立て、上体を起こし腰を反らします。これを5分程度保ちます。
3.再びうつぶせ状態に戻し少し休息します。
4.今度は腕立て伏せをするようにゆっくりと肘を伸ばします。完全に肘を伸ばしきらなくても構いません。この反った後屈状態を1分間(慣れてきたら30秒…あれっ?と思うかもしれませんが、それは後ほどわかります。)保ち、またうつぶせ状態に戻します。
この時、お腹やお尻には力を入れず、お腹が床に着いた状態にすることが大事です。肘を完全に伸ばすとお腹が床から浮いてしまうことがありますので適当なところで保ちましょう。この1〜4の動作をTセットとし、これを初めは、1回1分かけて5回繰り返します。
慣れたら1回30秒かけて10回繰り返し、これを、2時間おきくらいに、1日4〜5回程度やるのがベストです。
椎間板ヘルニアでお困りの方は無理をしない程度にやってみては如何でしょうか?
効果がすぐに現れる人もおり、足先までの痛みやしびれが、膝付近へ、そして、太腿、お尻、腰へと体の中心へと移ってきたら効果ありの証拠です。2週間をメドに、頑張ってみましょう。
マッケンジー体操では、伸展の運動だけでなく、下肢への症状が完全に治まったあと、可動性の少なくなった屈曲(前屈)の動きを回復させるために屈曲の体操も行います。
方法は仰向けに寝て膝を抱きかかえるようにして腰部を屈曲させます。その後痛みが出ないようであれば屈曲運動を立位で行ないます。
また、症状が治まった後、前屈時に身体の傾きが出る方は傾く側の反対側の足を椅子などの台にのせて立位で屈曲することにより歪みを矯正します。
屈曲運動は「腰反らし体操」で下肢症状がなくなってから行いましょう。マッケンジー体操のメインはあくまでも伸展運動(腰反らし)です。くれぐれも急いで屈曲運動を行ない悪化させないようにしてください。
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